IEA(国際教育到達度評価学会)による国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の2023年調査結果がこのほど発表された。フランスでは、数学の結果が低水準にとどまったことが大きく報じられている。
同調査は4年に一度、小学4年生相当と中学2年生相当を対象に行われ、その結果が発表される。500を世界平均とする点数にて評価がなされるが、フランスは、小学4年生と中学2年生がいずれも480点前後となっており、経済協力開発機構(OECD)と欧州連合(EU)の平均(いずれも小学4年生で520強、中学2年生で510程度)と比べて低い。欧州諸国中でも、同水準であるのはポルトガル程度(中学2年生の成績で比較、小学4年生の成績ではポルトガルの方がはるかに高い)という厳しい結果になった。政府は、暗算の練習を増やすなどの教育内容の見直しに着手したが、その効果が出るのは遅れている。
男子と女子の到達度に開きが出ているのも問題で、小学4年生の場合で、全体の平均が484点であるのに対して、男子は496点、女子は473点となり、その差は、2019年の前回調査(平均が485、男子が491、女子が478)から広がった。