社会保障会計の詐欺被害、年間130億ユーロ相当に

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首相府下の諮問組織HCFIPS(社会保障会計財源高等評議会)は25日、社会保障に対する詐欺に関する報告書を提出した。改善のための一連の勧告を盛り込んだ。
報告書の推定によると、社会保障会計が被害を受けている詐欺の規模は、年間で130億ユーロ程度に上る。これに対して、検査等で検出されている不正行為の規模は21億ユーロに過ぎない。さらに、実際に回収できた資金は6億ユーロにとどまる。
報告書はこれらの数字について、推計であり、精度を高める必要があると断った上で、検査・摘発を強化して回収を増やすというやり方には限界があり、いずれにしても、社会保障会計の収支立て直しをそれだけで実現できるものではないと指摘。その例として、被害の規模が特に大きい、企業による就労者隠しと社会保険料逃れを挙げて、こうした不正の場合、雇用主が雲隠れしたり、倒産したりすれば、未払い分の回収の道が立たれると指摘した。報告書は対策として、不正を助長するような抜け道がある制度や、複雑すぎて監視の目が行き届かなくなる制度を上流から改めるよう勧告。その例として、近年に導入された「自己負担ゼロの補聴器」を挙げて、患者が出費に注意を払わなくなることを悪用して、介在する業者が組織的に不正を行うような状況があると指摘した。不正を助長する状況を改め、死角をなくしてゆくことで、不正を未然に阻止することが有効な対策とした。