誰がために鐘は鳴る

投稿日: カテゴリー: アライグマ編集長の日々雑感

パリはお祭りだ、と言ったのはたしかヘミングウェイだったか。今夏のオリンピックとパラリンピックでパリは実際に
お祭りになった感がある。オリンピックはもちろんだが、パラリンピックに参加したアスリートのパフォーマンスには
改めて驚愕した。筆者は普段、人類の連帯といったテーマにあまり関心がない人間なのだが、最近読んだミステリー小
説で引用されていたジョン・ダンの詩「誰がために鐘は鳴る(For Whom the Bell Tolls)」(ヘミングウェイの小説の
題名ももちろんこれに因んでいる)に感じ入るところがあったのも、パラリンピックの好影響に違いない。
件の小説では殺害された娼婦の仲間が主人公の探偵に、彼女と友達だったわけじゃないけど、とことわったうえで、
「any man’s death diminishes me, because I am involved in mankind」とささやくのだが、なかなかかっこいいでしょ。
ちなみに、ご存知ない方のために紹介しておくと、この詩は
No man is an island, entire of itself; every man is a piece of the continent, a part of the main.
と始まり、
any man’s death diminishes me, because I am involved in mankind, and therefore never send to know for whom the bells
tolls; it tolls for thee.
と終わる。日本語訳ももちろんあるが、英語で読むほうがジンと来る。