仏インフレ率、12月に加速:3.7%まで上昇

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4日発表のINSEE速報によると、12月の消費者物価指数は前年同月比で3.7%上昇した。前月の3.5%を上回った。減速を続けていたインフレ率がわずかながら再び上昇した。
12月には、エネルギー価格が前年同月比で5.6%の上昇を記録。前月の3.1%と比べて上昇率が増大した。サービス料金も3.1%の上昇を記録、前月の2.8%から上昇し、エネルギーと共に物価を押し上げる要因となった。逆に、食料品は7.1%の上昇で、上昇の勢いは前月(7.7%)よりも鈍った。工業製品の価格は1.4%上昇し、前月の1.9%より減速した。
前月比では、消費者物価指数は0.1%の上昇を記録。前月の0.2%の低下からわずかながら上昇に転じた。輸送を中心にサービス料金が上昇。食料品価格は、生鮮品の値上がりをその他製品の値下がりが補い、全体として前月並みにとどまった。工業製品とエネルギーは前月よりも価格が低下した。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は、12月に4.1%となり、こちらも前月の3.9%よりも大きくなった。前月比では、前月の0.2%低下に対して、12月には0.1%の上昇を記録した。
2024年にインフレ率は減速傾向を示すと予想されているが、減速のペースがどの程度になるかは諸説ある。INSEEは6月時点でインフレ率が2.6%まで低下すると予想しているが、エコノミストのパトリック・アルチュス氏の場合は2024年平均で3.4%前後と、かなり厳しい見方をしている。足元では、中東情勢の緊張化を反映した海運運賃の上昇や、高めで推移を続ける石油価格など懸念材料もある。