イリアッド、生成AIに2億ユーロを投資

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

イリアッド(通信フリーの親会社)を設立した大物実業家のグザビエ・ニエル氏は、人工知能(AI)分野に2億ユーロを投資することを明らかにした。フランスに生成AIのエコシステムを構築する意欲を示した。
イリアッドはこのためにスパコンなどを導入。クラウドサービス子会社のScalewayを足場に、AI開発に必要な計算力を確保する。また、パリ市内に生成AIの開発に当たる研究機関(コードネーム「Sphere」)を設置し、1億ユーロの予算を投入する。ニエル氏は、「多くはインターネット大手出身の国際的に知られた」人材を招致すると言明。フランスの強みとして、優れた公的教育・研究機関があり、人材が豊富であることを挙げた。イリアッドはまた、ニエル氏のインキュベーター「ステーションF」を会場に、11月17日にAI分野の欧州規模のカンファレンスを開催すると予告した。
ニエル氏はまた、AI分野で活発に仏ベンチャー企業に対して投資をしており、これまでの投資額は累積で1000万ユーロを大きく超えるとみられている。大規模言語モデルを開発のミストラルAIなど数社に投資している。合計で2億ユーロという投資額については1桁足りないという声も聞かれるが、ニエル氏はこれを最初の一歩であるとし、これから追い上げることに意欲を示した。