スウェーデンの家具販売大手イケアは12月14日、セーヌ川の河川輸送を用いた商品配達を開始した。パリ北西部のジュヌビリエ市にある倉庫からパリ市内のベルシー河川港(12区)まで船舶で輸送(所要時間3時間半から4時間)し、そこから配達先までのラストワンマイルには電動車両で輸送する。フランプリ(スーパーマーケット)がすでにパリ首都圏の300店への商品配達に船舶を利用しているが、個人への商品配達に河川輸送を利用するのはイケアが初めて。毎朝、容量18立方メートルのコンテナ35体(1体につき15点程度の商品を収納可能)がベルシー河川港まで輸送される。
イケアは、仏販売に占めるオンライン販売の割合を10%から向こう3年間で20%へ引き上げる計画だが、それを、環境負荷をかけず、市内の交通渋滞の悪化を回避しつつ実現することを目指している。トラック輸送から河川輸送に切り替えることにより、二酸化炭素排出量は最大で5分の1にまで削減できる。現在は平底船1隻で輸送しているが、需要が十分に増えたら2隻体制とする。パリ首都圏のリメーに建設中の倉庫が完成すれば、河川輸送の出発地をジュヌビリエからリメーへ変更する。