仏AMF(金融市場監督機関)は11月22日、仏政府によるEDF(仏電力)へのTOBを許可する決定を下した。
仏政府はEDFの株式84%を保有している。残り株式をすべて取得して上場を廃止する方針で、TOBでは90%以上の株式取得を成功の条件として定めている。この水準を超えると、残り株式の強制的な買い取りを目的とするTOBを続けて実施できる。
TOBの申請は10月4日になされた。1株12ユーロの価格で買い取り、当初予定では12月8日までの期間でTOBが行われる予定だった。AMFは、日程の変更については言及しておらず、22日の時点では、近く決定内容を理由付きで公示するとのみ説明している。
政府は、国内でEPR(第3世代加圧水型炉)6基を建造する計画を立てており、EDFの再国有化を経て、計画の実行に向けた足場を固めることを目指している。EDFの債務は年末時点で600億ユーロと過去最大に達する恐れがあり、国有化はファイナンスを固める上で不可避となっている。従業員・元従業員を中心とする少数株主のグループは、価格が低すぎると反発し、提訴による抵抗を続けてきたが、AMFはこのほど、TOBの許可を決定した。