フランスで9月1日より、自動運転レベル3が解禁される。自動車専用道における渋滞時の手放し運転が可能になる。
フランス政府は、2021年4月14日のオルドナンス(行政令)と、同年6月29日の政令により、レベル3解禁の法的枠組みを整えた。フランスが批准するウィーン条約が6月22日付で改正され、レベル3運転が認められたことにより、実際の施行が可能になった。
具体的には、中央分離帯がある自動車専用道において、時速60km未満の走行時に、自動運転を選択することが認められる。事実上、渋滞時に限って、自動運転機能を利用できることになる。同機能を利用中は、事故発生時の責任は法律上、運転者から自動車メーカーに移転されることになる。レベル3においては、運転者は随時、運転を再開できる状態にあることが求められる。なお、ウィーン条約修正においては、2023年1月から、時速130kmまでレベル3運転が認められることになっている。
レベル3の実際の普及に当たっては、メーカーが搭載システムの国別の承認を取り付けることが前提となり、フランスにおける普及はまだしばらく先のことになる。現状では、独メルセデスベンツが「Sクラス」と「EQC」に関してドイツで2021年末に承認を受けた前例があるのみにとどまっている。