仏エコバディス(EcoVadis)はこのほど、5億ドルの調達に成功したと発表した。評価額が10億ドルを超え(正確な評価額は未公表)、いわゆる「ユニコーン企業」の仲間入りを果たした。
エコバディスは2007年の設立。企業のESG評価をSaaSプラットフォームの形で提供している。今回の資金調達はすべて出資の形で行われ、新たに投資会社のAsorgとBeyondNetZeroが出資。シンガポールの政府系ファンドGICプライベートリミテッドと米Princeville Capitalも出資した。ウクライナ危機を経て市況が厳しくなる中で多額の資金調達に成功したことは、同社への評価の高さに加えて、ESGへの関心と需要の高さを物語っている。
エコバディスは従業員数が1350人。アナリストよりもデベロッパーの方が多く、アナリストが作成した尺度を元に、AIを利用した分析により評点を算出するという方式を採用。監査やコンサル大手と比べて、自動化が進んでいる利点を強調している。世界の9万5000社を顧客としており、毎月1800社の新規顧客を獲得している。欧州が最大市場だが、北米事業も大きく成長しており、次の成長力としてアジア市場を見据えている。アジア諸国中で先進的な日本への投資も拡大した。