UEFAチャンピオンズリーグ決勝を巡る混乱、政府批判の声も高まる

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

パリ北郊にあるスタッドドフランスで28日夜、サッカーUEFAチャンピオンズリーグの決勝戦が行われた。レアル・マドリード(スペイン)がリバプール(英国)を1対0で下して優勝を飾った。試合前にスタジアム周辺で混乱があり、試合開始が35分遅れるというハプニングも発生。運営側と治安部隊の対応を批判する声も上がっている。
決勝戦はロシア・サンクトペテルブルクで開催される予定だったが、時節柄、急遽フランスでの開催となった。当局側は、リバプールのサポーターの中に、偽造チケットでの入場を試みる者が多く、混乱を引き起こしたと説明。現場には3800人の治安部隊員が投入されていたが、柵を超えて侵入しようとする者も現れ、治安部隊は催涙ガスを使うなどして群衆を解散させる手段に訴えた。合計で105人が逮捕された。入場を待っていた人の中には正規のチケットを持った家族連れなども多く、英国のマスコミなども、仏当局の対応を批判する声を報じている。大会主催のUEFAに対しては、販売されたチケットの数が少なく、偽造の横行を招く結果になったとする批判の声も上がっている。
リバプール側は不手際を糾弾し、正式調査を請求した。フランスの野党勢力は揃って、政府の無能力が露呈されたと非難。パリ五輪を含む重要なスポーツイベントをフランスに開催する能力があるのか、と政府に対して詰め寄っている。政府は30日にUEFAの代表者なども交えた会合を開いて、事件の教訓を踏まえた善後策を協議する予定。