ミュリエ一族(食品小売大手オーシャンなど保有)は23日、傘下のアパレルチェーン「ピムキー(Pimkie)」の売却先探しに着手すると発表した。投資ファンドではなく、業界の企業から買収者を募る計画だという。ミュリエ一族は2022年末までは事業継続に必要な資金の供給を続けると約束している。
ピムキーは全国に313店舗(うち213店舗は直営店)を展開、1500人を雇用する。2020年の売上高は2億ユーロ弱だった。ピムキーは1971年に創業、いわゆるファストファッション分野でシェアを築いたが、競合に押されて10年来、苦戦が続いている。オンライン販売が弱く、特に近年ではSheinの攻勢にも苦しめられている。この1月には再建屋として実績があるフィリップ・ファーブル氏を社長に迎えてテコ入れが始まっていたが、売却の道が選択された。
ミュリエ一族の主要資産であるオーシャンとルロワ・メルラン(ホームセンター)はともにロシア事業からの撤退の是非をめぐる混乱で苦しんでいる。不振企業の売却を加速する中で、ピムキー売却を決めたものとみられる。