ウクライナ危機、代理母出産にも影響

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

ウクライナでの戦争は、フランス人が利用する代理母出産にも影響を及ぼしている。フランスでは代理母出産が禁止されており、合法のウクライナで出産を依頼するケースが多かった。戦禍のウクライナを逃れるため、依頼主のフランス人が代理母をフランス国内に受け入れるケースが増え、これに代理母出産に反対する市民団体が噛み付いている。去る4日にはこの団体が5件の疑いを告訴した。
通常なら、精子提供の父親と子供の親子関係をウクライナにおける戸籍登録で証明し、帰国後にフランスに転入届を出し、母親との養子縁組を行う形になる。代理母をフランスに呼んでの出産になると、母親が出産時の親権放棄の手続きをして、父親が子どもを認知して親子関係を確立し、次いで母親との養子縁組という手順になるが、市民団体側はこれを、代理母出産を禁止する法令に抵触する違反行為であると主張している。法務省は、戦争という例外的な状況を鑑みて、この種の案件で訴追を見合わせるよう、検察当局に要請している。法律専門家によると、代理母を国内に呼んでの出産において、父親の認知等の手続きは合法だが、国内での代理母出産の依頼そのものは違法につき、過去にも依頼側が有罪判決を受けた事例がある。