与党のペイラ候補が立候補断念、DV問題で公認取り消しに

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

ドルドーニュ県第4選挙区から総選挙に立候補していたジェローム・ペイラ氏が18日に出馬を断念した。マクロン大統領の与党勢力が18日にペイラ氏の公認を取り消した。
ペイラ氏は右派の出身で、同県ラロックガジャック市の市長と、ヌーベルアキテーヌ地域圏議会の議員を務める。2019年には大統領顧問を務めたが、DV容疑で捜査の対象となったことから2020年1月に顧問職を辞任、この件で同年9月には罰金刑の有罪判決を受けている。
問題の選挙区では、与党LREM所属のジャクリーヌ・デュボワ議員(女性)が再選を目指していたが、与党連合「アンサンブル」はペイラ氏を公認候補として擁立した。公認指名はマクロン大統領の監督下で行われており、ペイラ氏起用には大統領の意向が反映されていると考えられる。地元の与党関係者らは揃ってデュボワ議員への支持を表明しており、デュボワ議員も、党の公認を得ずに立候補することを決めた。同議員は、ペイラ氏のDV有罪歴についてはあえて触れず、地元とのつながりが希薄なペイラ氏よりも、自らの方が正統な候補者であると主張していた。他方、野党の候補者らは揃って、マクロン大統領が女性への暴力を軽視していることを明らかに示す人選だと批判していた。
当のペイラ氏は、問題の事案は口論がエスカレートした際の事故であり、元内縁の妻の側も、迷惑電話等で罰金刑を受けており、中傷容疑で捜査対象にもなっているとして、責任は自らの側にのみあるのではないと主張していた。論争が拡大し、与党側も批判に抗じきれず、公認取り消しを決めた。