フィヨン元首相、架空雇用事件の控訴審で有罪判決

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

パリ高裁は9日、フィヨン元首相夫妻の架空雇用事件で3人の被告人全員に有罪判決を言い渡した。
フィヨン元首相は、国会議員時代に夫人を議員秘書として採用し、実質的な職務を何もさせないまま、国会の公金を報酬として夫人に与えていた疑いがもたれていた。パリ高裁は、第1審のパリ地裁と同様に、容疑事実を認めて、被告人全員に有罪判決を言い渡した。フィヨン元首相には、実刑部分1年を含む禁固4年と罰金37万5000ユーロ、そして10年間の被選挙権停止を言い渡した。元首相夫人には、執行猶予付き禁固2年と罰金37万5000ユーロ、そして2年間の被選挙権停止を言い渡した。また、フィヨン元首相の補充議員(国会議員と閣僚職の兼務が禁止されているため、下院議員が閣僚に就任する際に代理になる者で、選挙の際にペアで立候補する)を務めたジュロー元下院議員は執行猶予付き禁固3年と5年間の被選挙権停止を言い渡された。
第1審でフィヨン元首相は実刑部分2年を含む禁固5年の有罪判決を受けており、控訴審では求刑と判決がともに第1審判決よりも低くなった。実刑部分が1年にまで圧縮されると、有罪判決の確定を経て収監されることはなくなり、元首相としては、刑事施設を回避できる判決となった。被告人らは裁判において、容疑事実の否定を続けていた。3人の被告人らは判決後、上告すると予告した。