大統領選の決選投票を1週間後の24日に控えて、マクロン大統領は16日、マルセイユで集会を開いた。マルセイユは、大統領選第1回投票で3位となった左翼「不服従のフランス」のメランション候補の地元であり、大統領は、左翼層と若年者の支持の取り込みを目指し、環境問題を中心とする政策の展望を披露した。2000人程度の支持者を野外の会場に集めたが、控え目な動員にとどまった。
そのメランション候補に投票した人の決選投票における投票の行方が選挙結果を左右するとの見方もあるが、メランション候補は支持者を対象に投票を行い、決選投票における投票行動について問い、その結果を公表した。全体の3分の1(33.40%)がマクロン大統領に投票すると回答。棄権(28.96%)と白票など無効投票(37.65%)が残りの3分の2を占めた。メランション候補は、極右に投票してはならないと呼びかけており、投票においても「極右RNのマリーヌ・ルペン候補に投票」は選択肢の中に含まれていなかった。なお、前回の2017年の大統領選決選投票では、メランション支持派のうち7%がルペン候補に投票したと推定されている。今回、この割合はさらに大きくなることが予想される。
他方、16日には、パリを含む全国各地で、極右への反対を呼びかけるデモが行われた。デモは、人種差別反対のNGOであるSOSラシスムなどに加えて主要労組CGTも呼びかけに加わった。ルペン候補の当選を阻止することで参加者らの意見は一致していたが、マクロン大統領への拒絶を口にする者もかなり多く、ルペン候補への拒否感がマクロン大統領への支持には直結していない状況が見受けられた。
ルパリジャン紙などの依頼で行われた世論調査によると、16日の時点でマクロン大統領の支持率が55.5%、ルペン候補の支持率が44.5%となり、マクロン大統領が一応の優位を保っている。レゼコー紙の依頼による世論調査(15日)では54%と46%という数字になっており、差がより小さくなっている。