ウクライナ危機の影響で、輸送・物流に欠かせない木製パレットの不足が目立っている。物流の混乱に拍車をかける事態となっている。
木製パレットの価格は既に2021年に40%の大幅増を記録していた。これが、ウクライナ危機を境にさらに急激に上昇。仏物流業界団体によると、1体の価格は7ユーロから29ユーロへ跳ね上がったという。ウクライナは木製パレットの主要生産国だが、紛争で生産が大幅に混乱した。ロシア及びベラルーシからの木材供給が途絶えたことも大きい。
欧州では6億体の木製パレットが市中で利用されている。フランスの場合、国内生産は年間5000万体に過ぎず、修理・保守業者が製品の寿命延長に貢献しているが、新品の供給が途絶えれば、市中のパレット不足に拍車をかけるのは避けられない。特に、新型コロナウイルス危機を経た物流チェーンの混乱により、木製パレットの回転は鈍り、物流業者の元に留まる滞留期間が長引く傾向があることから、不足は一段と深刻になる。パレット輸送の最適化をサポートするベンチャー企業なども出現している。