エアリキードの水素生産事業に国が2億ユーロの支援

投稿日: カテゴリー: エネルギー・環境レポート

仏産業ガス大手エアリキードは3月9日、ノルマンディ地域圏での水素生産プロジェクトに対して仏政府から2億ユーロの助成金を獲得した。「Normand’Hy(仏語ではノルマンディと発音)」と命名されたこのプロジェクトでは、エアリキードがセーヌマリティム県ポールジェロームに保有する拠点において、独シーメンスと共同で、水電解と再生可能電力を用いるグリーン水素生産施設を2025年までに新設することを予定している。
エアリキードは、この新工場をポールジェロームの既存施設および仏石油大手トタルエネルジーから近く買収するゴンフルビル(ルアーブル郊外)の施設と組み合わせて、ルアーブルを中心とする産業地域一帯向けに脱炭素化水素を供給することを計画している。
ポールジェロームの水素生産施設では、米石油大手エクソンモービル向けに、グレー水素を生産している。グレー水素はCO2排出を伴うが、同施設にはCO2回収システムが設置されている。トタルエネルジーとの合意では、ゴンフルビル製油所の水素(ブルー水素)生産施設を引き取り運転することが決まっている。
ルメール経済相は脱炭素化水素の中心的な役割を強調し、ポールジェロームへの2億ユーロの公共投資により世界有数の脱炭素化水素生産拠点が実現し、フランスが脱炭素化水素生産の世界的リーダーになれることが証明されると述べた。