ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、欧州諸国は2月27日までに、ロシアの旅客機の乗り入れを禁止する決定を下した。これに対する制裁の形で、ロシア政府は、早い段階で禁止措置を決めた欧州諸国(英国、ラトビア、リトアニア、エストニア、スロベニア、ブルガリア、ポーランド、チェコ)の旅客機のロシア上空通過を禁止した。
フランスは他国より遅れて、27日夜から、ロシアの旅客機の乗り入れ禁止措置を施行。これに伴い、エールフランスは、ロシア便の運航を停止したが、同時に、ロシア上空を通過する中国、韓国、日本向けの便の運航も一時停止した。ロシア上空を回避するルートを確保するまでの間、一時的に運航を停止する。これより前、26日までに、IAG(ブリティッシュエアウェイズ、イベリア)とルフトハンザ・グループがロシア便及びロシア上空通過便の運航を停止している。
欧州委員会は27日に、欧州連合(EU)全域で、ロシアで登録の航空機、ロシア人が所有する航空機、ロシア資本の傘下にある航空機について、離着陸と上空通過を禁止すると予告。これで、欧州の航空会社は一切、ロシア上空を通過できなくなると予想される。各社はアジア便で南回り航路を優先するものと予想されるが、最短距離を通過できなくなることで、二酸化炭素の排出量増加は避けられない。