アタル政府報道官は2月9日、「ワクチン・パス」による制限措置を3月末から4月初めにかけて解除できる可能性があると言明した。感染状況の改善がこの調子で進めば解除の見通しが開けるとした。ベラン保健相は前週の時点で、「7月以前」という展望を示していたが、それよりも早く解除が実現する可能性がある。
2月8日の1日当たり新規感染確認数は23万5000人となり、前週の40万人強に比べて顕著に改善した。ただし、病院の状況の改善はそれよりも緩慢で、8日には294人が集中治療室に入り、集中治療室に入院中の患者数は3555人と、前週比で5%の減少にとどまっている。1日当たりの死者数は285人と、こちらは前週比で9%増を記録している。
政府報道官は、冬期休暇明けの学校における衛生基準(最初に休暇に入ったBゾーンでは21日に授業再開)については、今週中に発表すると予告。ここでも一連の緩和が盛り込まれる見通しとなっている。
これより前、政府のワクチン戦略顧問を務める有識者のフィッシャー教授は、上院での聴聞の機会に、ワクチン・パス解除の条件として、感染率が現在の10分の1以下に低下することと、病院の状況が改善すること(新型コロナウイルス感染症以外の患者を遅滞なく受け入れることができる状況になる)、そして、3回目接種済みの人の率が十分に上昇することを挙げていた。