仏海運大手CMA CGMはこのほど、小包配達の民間企業コリ・プリベを買収すると発表した。51%株式を取得し、後に出資率を引き上げるオプションも設定した。CMA CGMがラストワンマイルの輸送事業に進出するのはこれが初めて。
コリ・プリベは2021年に売上高2億7000万ユーロに対して2700万ユーロに上るEBITDAを達成した。従業員数は約550人で、ほかに3300人に上る下請けの配達員を確保し、国内に4ヵ所の仕分け所と110ヵ所の代理店を展開している。最近ではベルギーとルクセンブルクに進出、オランダへの進出も計画している。親会社のHopps社は、SPAC(特別買収目的会社)のDEE Tech経由でこの年頭にもコリ・プリベを上場させる計画だったが、DEE Tech側が買収計画を撤回し、上場は白紙に戻っていた。なお、上場計画では、コリ・ブリペの評価額は5億5000万ユーロに設定されていた。
CMA CGMによる買収後で、残り株式は39%を経営陣が確保し、10%をアマゾンが保有する。アマゾンはワラント行使でこの株式を取得していた。CMA CGMは、やはり買収により傘下に収めたシーバ(物流)経由でコリ・プリベをバリューチェーンに組み入れる計画。コリ・プリベの国際進出も支援する。