ノンアルコールのトレンド、蒸留酒やワインにも

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英国から移入の禁酒チャレンジ月間「ドライ・ジャニュアリー」はフランスでもすっかり定着した。健康への配慮や、肥満防止という観点から、ノンアルコール飲料への関心も高まっている。以前はビールが主流だったが、現在では蒸留酒やワインにもノンアルコール製品が現れるようになった。
フランスでは、ノンアルコール・ビールの量販店を通じた販売は、2021年(1-11月)に金額で23.6%増、数量ベースで16.8%増を記録(IRI調べ)。大きな成長を記録しているものの、ビール(パナシェ含む)市場全体のシェア(金額ベース)はまだ3.8%にとどまっている。
蒸留酒の分野では、仏大手のペルノリカールが「Pacific」(アニス酒に似せたアルコール飲料)を1982年より販売しており、先駆者的な位置づけだが、同社は2017年創設の「Ceder’s」を2021年に買収し、この分野の事業を強化した。Ceder’sはノンアルコールジンで、南アフリカ原産のルイボスやブチュを配合する新感覚の味わいを売り物とする。ワイン分野の注目株はフレンチブルーム(French Bloom)で、オーガニックのスパークリングワイン(もちろんノンアルコール)として、29ユーロ前後で販売されている。シャンパン老舗テタンジェの一族出身であるロドルフフレールジャン・テタンジェ氏が夫人のコンスタンス・ジャブロンスキ氏と立ち上げた。今年には15万本を販売する予定で、2030年には100万本の達成を目指している。
IWSRドリンクスマーケットアナリシスの予測によれば、ノンアルコール市場は、2025年まで、主要10ヵ国市場で年間8%の成長を遂げるという。フランスでは昨年に13%の成長を記録。2025年まででは年平均で10%の成長が見込まれている。