ナンテール地検は23日、実業家のフランク・プロボ氏に脱税等の容疑で予審開始が通告されたと明らかにした。予審は、担当予審判事が起訴の是非を決めるために行う裁判上の手続き。プロボ氏の弁護士によると、保釈金37万5000ユーロで同氏はひとまず釈放された。
プロボ氏は、「フランク・プロボ」名義の美容院チェーンを展開。その親会社となったプロバリアンス社を創業した。同社は欧州最大手に成長しており、現在は投資ファンド「コア・エクイティ」の傘下となっている。
今回の事件では、フランク・プロボの一部店舗に不正会計ソフトが導入され、長期間にわたり多額の脱税が行われていた件が追及されている。現金収受分について、レジにおいては記録がなされるが、のちに「Image」と呼ばれる追加機能を用いて、これを消去するという手口を用いていた。会計ソフトを提供していたMarlix社(現在はフィデュシアル・アンフォルマティック傘下)の関係者と、プロバリアンスの元財務部長も予審の対象となっている。
当局は、人件費対売上高比と売上高の推移を店舗ごとに比較することにより不正をあぶり出した。フランク・プロボ氏の弁護士は、不正店舗は全体の5%(全国4000店のうち200店)に満たず、会社ぐるみの犯罪ではなく、一部の不正者による犯罪だと主張。この不正で利益を得ていた財務部長が、フランク・プロボ氏に罪を着せたものだと述べて、プロボ氏は潔白であると主張している。