アルティス(仏通信SFRの親会社)の英国子会社アルティスUKは14日、英通信大手BTの株式18%を保有していると明らかにした。アルティスは6ヵ月前に、BT株式12.1%を取得して話題になったが、その後、5億8500万株を10億ポンド程度で買い取り、18%までの株式を確保した。アルティスは、プレスリリースを通じて、これ以上の株式を買い入れる予定はないと公表。規定により、6ヵ月間は新たな株式の買い入れはできないことになった。ただし、BTへの他社によるTOBなど、新たな動きがあった場合には、アルティスは自らの約束には拘束されない。
BT株価は過去6ヵ月間で20%下落しており、1.65ポンドにまで下がっていた。時価総額は163億ポンドで、これは例えば仏大手オレンジよりも25%程度低い。アルティスによる発表後に、BT株価は8%近くの大幅な低下を記録した。
アルティスは実業家のパトリック・ドライ氏が保有する。英国では、出資率が30%に達したところで、TOBをかける義務が生じるが、18%という出資率は、ちょうど独テレコムがBTに保有している12%株式を買い取ったとすると、30%に手が届くという微妙な数字であり、アルティスが6ヵ月後に何事かを仕掛けてくる可能性もある。アルティスは、BTの取締役ポストを要求する可能性を否定しているが、外から揺さぶりをかけて経営方針に影響力を行使しようとする可能性はある。