アリアングループ、2026年に小型再利用ロケットを実現へ

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ルメール仏経済相は6日、ベルノン市(ノルマンディ地方ウール県)にあるアリアングループ(ロケット)の拠点を訪問した機会に、2026年をめどにアリアングループが小型再利用ロケットを開発すると予告した。米スペースXなどによる先行を許した分野で追撃を狙う。
実証機テミスの初打ち上げが2026年に行われる予定。これに用いられる新開発エンジン「プロメテウス」のテストがベルノン拠点で行われる。より柔軟でコストが安く、液体酸素及び液体メタンを燃料とする新設計のエンジンであるため、ベルノン拠点に4000万ユーロを投資してテスト施設が整備される。
ベルノン拠点では最近に、アリアン5ロケット上段のVINCIエンジンの製造事業がドイツ拠点に移転することが決まったばかりだが、代わりにターボポンプの製造事業がイタリアから同拠点に移転。プロメテウス関連事業も含めて、同拠点の人員数は、現在の830人が2025年には950人まで増えるという。
経済相はこれとは別に、政府が投資プラン「フランス2030」の枠内で宇宙機業界向けに予定する15億ユーロの投資について、3分の2を中小企業に振り向けると予告。ベンチャー企業支援を通じて業界の成長を促す考えを示した。