共和党の公認大統領候補、ペクレス氏に

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保守野党の共和党は4日、公認大統領候補を決める党員投票の最終結果を発表した。バレリー・ペクレス候補が決選投票において60.95%の得票率を得て、エリック・シオティ候補(39.05%)を下して公認指名を得た。投票率は82.12%とかなり高かった。
ペクレス候補はイルドフランス地域圏(パリ首都圏)の議長を務める。共和党が大統領選挙に女性候補を擁立するのはこれが初めて。最終結果の発表は、党本部においてジャコブ党首により行われた。決選投票を争った両候補に加えて、第1回投票で敗退した3候補も出席し、党内が一丸となって大統領選挙のキャンペーンを進める姿勢が打ち出された。ペクレス候補は、マクロン大統領の政策上の無策がフランスを弱体化に招いたと批判し、治安対策と自由を重んじる政策上の大転換をもたらし、言葉より行動を目指すと抱負を語った。
世論調査におけるペクレス候補の支持率は今のところ10-11%程度で、マクロン大統領、極右RNのマリーヌ・ルペン候補、さらに右翼の論客エリック・ゼムール候補にも遅れている。ペクレス候補の勝機としては、政権交代を担える主要政党をバックにつけていることがあり、支持層を束ねて第1回投票を勝ち残れるなら、決選投票でマクロン大統領を破れる唯一の候補でもある。ただ、今回の党内の決選投票において、立ち位置的に極右勢力にも近いシオティ候補が4割近くの得票を得たことからもわかるように、全体として共和党の支持層、さらには国民全体に著しく右寄りの考え方が広がっている中で、ペクレス候補が支持を手堅くまとめられるかどうかは未知数で、これから数週間のキャンペーンにおいて存在感を示すことが課題になる。