シリアでアサド政権が崩壊した。反対派の自国民に化学兵器を用いたといわれるような政権が滅びたことはもちろん喜
ばしいに違いないし、同政権を支援してきたロシアの中東での影響力が弱っていることがうかがわれるのも朗報のよう
に思われるが、シリアの新たな支配者がイスラム原理派であることは喜べない。また、それを後押ししたトルコの影響
力が強まることも、欧州にとって必ずしも望ましい状況ではないだろう。ゴリゴリのイスラム原理派ではない、との情
報もあるが、シリアの新政権とどう付き合うかは悩ましい問題だ。ただ、シリア出身者をもはや難民と認定する必要が
なくなれば、欧州の移民・難民対策には負担減となるかもしれない。あくまで楽観的な見方に過ぎないけれど。