フランス国会での予算案審議で左派と右派の両野党勢力が政府不信任案に賛成票を投じる方針を明らかにした。早けれ
ば4日にもバルニエ少数内閣が総辞職に追い込まれる見通しとなった。その場合、予算案も白紙に戻り、公共サービスを
はじめとして様々な方面に影響が及ぶ。フランスの国家制度はさすがになかなか良く設計されていて、政府が倒壊した
からといっていきなり財政運営が麻痺するというわけではないが、マクロン大統領がさんざん迷った末に苦肉の策とし
て任命したバルニエ首相が退陣してしまえば、次の首相は誰がなるのか。。。先の見えない展開になってきた。現在の
国会の勢力分布が変わらない限り、誰が首相になったところで、政局が安定することはないが、政治危機が慢性化して
しまえば、経済や財政への悪影響は計り知れない。交渉上手で妥協的、安心感を与えるキャラとして選ばれたバルニエ
首相でも乗り切れない現状に風穴をあけるには、結局マクロン大統領の退陣と大統領選挙の繰り上げ実施しかないのだ
ろうか?少なくともそれが(特に左派)野党陣営が描く理想のシナリオのようだが、そもそもフランスの大統領制その
ものが疲弊している中で、大統領が交代したぐらいで何かが良くなるのだろうか?とますます懐疑的になってしまう。