仏2025年予算法案:富裕層対象の特別課税、当初見込みより小規模に

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政府は2025年予算法案に富裕層対象の特別課税を盛り込んだが、その対象となる世帯数は当初見込みより大幅に少なくなる見通しという。政府が国会に提出した文書の内容が報じられた。
政府案によると、標準所得額が25万ユーロ以上(独身者の場合)の世帯について、実効課税率の下限を20%に設定するという時限措置が導入される。理論上は、対象世帯数は6万5000(全世帯の0.3%)に上るが、実際にこの時限措置の影響を受けるのは2万4300世帯程度にとどまる見通しだという。まず、対象世帯において、実効課税率が20%に満たない世帯はさほど多くないといい、さらに、一連の課税標準控除などの影響で、網の目からこぼれる世帯も多いという。このため、この措置の実効性については疑念を抱く向きもある。
これとは別に、予算法案には、政府機関の予算削減や統廃合の方針などが盛り込まれた。このうち、ADEME(環境・省エネ庁)については35%の予算削減が盛り込まれたという。ADEMEが扱う環境関連の援助金(ゴミ減容・減量、再生可能熱供給等)が大幅削減の対象になるといい、政府が財政赤字削減で環境政策を調整手段にしているとする批判の声も上がっている。