6月6日から9日にかけて、いよいよ欧州連合(EU)各国で欧州議会選挙が実施される。27ヵ国の加盟国から総数720人
の議員が選出される。ここでEUについて簡単におさらいをしておけば、EUのGDPは2022年に16兆7470億ドル(15億
7000億ユーロ)で、米国(25兆ドル超)と中国(18兆ドル弱)に続き3位。総人口は4億4700万人で、米国(3億3300万
人)より多いが、14億人を数える中国とインドを大きく下回る。総面積は430万平方キロメートルで、ロシア(1700万
平方キロメートル)や米国(980万平方キロメートル)よりはるかに小さいが、インド(330万平方キロメートル)より
は大きい。域内で用いられている公用語は24種類。欧州議会では660人の通訳が活躍している。EUの2021-2027年予算
額は1兆2000億ユーロ。こうして見ると、EUはやはり大きく、各加盟国の中で、あまり外国旅行もせずに日々を送って
いるような人々にとっては、自分が「欧州市民」だという自覚や実感はあまりないかもしれない。そこらは米国あたり
と事情が異なる。欧州議会選挙の争点がしばしば国内問題に収斂してしまうのも、むべなるかな、である。