サブスク・シェアリング仲介のSpliiit、訴訟を乗り切れるか

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

有料アカウントのシェアリングを仲介する仏Spliiitが事業展開の拡大を図っている。ただ、大手プラットフォームから提訴の対象となっており、法的な懸念を抱えている。
Spliiitは2019年に発足。多アカウントを設定できるプレミアム会員サブスク(動画、音楽、新聞雑誌、ゲームなどオンラインサービスのほか、フィットネスクラブ等も)のシェアリングを仲介している。Spliiitは共有者間で決済用のウォレットを提供。シェアリング開始時に50ユーロセントの手数料を徴収し、その後の月額料金のやり取りに係り5%の手数料を徴収する。200種を超えるサブスク契約を取り扱っており、シェアリング提供側の会員数は16万6000、利用者全体では100万を超える。2023年の売上高は前年比80%増の100万ユーロに上り、黒字化を果たした。
Spliiit側では、利用規約を遵守したシェアリングだと説明しており、シェアリングにより浮いた購買力で他のサブスクに加入することが可能になるため、全体として業界の需要を拡大するのに貢献していると主張している。ただ、大手プラットフォームは納得しておらず、アップル、ディズニー、ネットフリックスはSpliiitを2022年初頭にパリ地裁に提訴。裁判所は緊急審理請求を却下したが、本件審理が継続中で、数ヵ月中に判決が出る見通し。