ウクライナ侵攻とロシアの論理

投稿日: カテゴリー: アライグマ編集長の日々雑感

ロシアによるウクライナ侵攻が3年目に入り、ウクライナの旗色がひどく悪い。フィクションと違って、現実では悪玉が善玉に勝利することも多いから、先行きはわからない。ウクライナがロシアに支配され、西側諸国の影響力が衰退して、やがて世界はロシアと中国が牛耳るのかも知れない。もっともロシアもこの戦争でそうとう体力を消耗するから、中国の支配下に入るのか。それはともかく、ロシアを悪と決めつけてはいけないのだろう。いつでもどこでも多様性を重視する見地からは、もちろんプーチン大統領の独特の歴史観や世界観にも相応のリスペクトを払うべきだろうし、ロシア国民の心情や、少なからぬ親ロシア派の国々の立場にも配慮すべきだ。もっとも筆者の目には、マルクス・レーニン主義、ロシア革命、ソ連の建国、ロシアという国の存続、毛沢東主義、大躍進政策、文化大革命、習近平思想などなどがどれも人類史の壮大な愚行にしか映らないので、本気でリスペクトすることはなかなか難しい。ただし、どんな狂気や愚行にもそれを裏付ける論理があることは確かで、ロシア側の論理に対する理解を深めることはこれからも必須の課題だ。その点でちと心細いのは、2022年2月の侵攻開始直後に、多くのロシア研究者や専門家が「予想外で衝撃を受けました」などとあまりにトボけたコメントを発表していたことだ。これほど大掛かりな作戦とそれが依拠する戦略を予測も想像もできないとしたら、それはロシアに対する理解がとてつもなく不足していたか、完全に間違っていたからだろう。侵攻を機に、こうした研究者や専門家のロシア観が正しく修正されたならよいが、歴史はしばしば愚行を繰り返すので、ちと心配だ。今後の世界がどのように動くか、セカンドチャンスを活かして、正しく予想して欲しい。