学校の制服導入、準備に遅れも

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政府は学校において制服の試験導入を計画しているが、その準備が遅れている。2月15日に締め切る予定だったモデル校の募集が、6月半ばまで延期された。
高校以下の学校における制服の導入はマクロン大統領が後押しする学校教育改革の一つ。この9月に始まる新学年より全国の100校程度で導入を開始し、その成果を見て2026年9月の新学年よりすべての学校で導入する予定となっている。政府は制服導入について、不平等をなくして、帰属意識を高める効果が期待できるとしており、その理念ゆえに、制服は完全支給制として費用は全額を公費で負担する。国が50%の費用を負担し、残りを自治体が負担する。
制服導入には概して右派の自治体が関心を示しており、ピュトー市(パリ首都圏)とベジエ市(南仏)では、近く正式発表に踏み切る予定と力が入っている。ただ、全国で100校程度のモデル校を集めるはずが、教職員などの反対もあり準備が整っていないところが多いといい、政府は導入校のリストの発表を遅らせた。
反対派は、政府によるイデオロギー的な決定を押し付けるものだとして反発している。政府の念頭には、このところ目立っているイスラム教の伝統的衣装のような服装の排除(政府は別途、服装の制限を強化している)があるのは間違いない。右派が導入に積極的なのもそれと関係があるが、移民が多く、この種の問題を抱えるパリ北郊のセーヌ・サンドニ県でも、保護者らはともかく、教職員にも強い反発がある。