パレスチナの人民とテロ攻撃

投稿日: カテゴリー: アライグマ編集長の日々雑感

日曜日にフランスでユダヤ人差別に反対するデモが実施され、パリで10万人、全国では合計で18万人が参加した。やたらとデモが好きな国でのこの規模をどう受け止めるかは微妙なところだ。ユダヤ人を取り巻く状況は厳しい。パレスチナ支持の動きも活発だ。理由は様々だろうが、「ハマスを支持しているわけではない」とか「ガザの一般住民はハマスとは別で、テロ攻撃と無関係」などとことわりつつパレスチナ支持運動を展開している人がいることには少し驚く。周知のとおり、イスラム主義テロ組織のハマスがガザ地区を統治しているのは、2006年の自治評議会選挙で圧勝したからだ。ガザのパレスチナ人は選挙という手段を通じてハマスを自分たちの支配者に選び、その後もハマスによる支配を受け入れてきた。今回のようにハマスが イスラエルに対するテロ攻撃を行い、イスラエル側がガザに報復攻撃をしかける事態が発生する可能性は当初から十分に想定内だったはずだ。そのような可能性を選挙で作り出したのだから、いまさら、住民は無関係、と主張するのは無理があろう。また、イスラエル側が主張するように、ハマスが病院などに拠点を設けているのが事実ならば、それを容認しているガザの住民は、好むと好まざるとにかかわらず、病院が攻撃される条件を自ら作ったことになる。イスラエルによる攻撃を積極的に支持するつもりはないが、ガザのパレスチナ人が無辜だとの主張には首肯できない。住民の多数派は、本人の意識がどのようなものであれ、事実上ハマスの協力者として振る舞っており、潜在的なテロ支援者だといわざるを得ないだろう。パレスチナを支持するのはもちろん自由だが、それは否応なくテロへの支持にも繋がってしまうのではないだろうか。