マスクはもういらない?

投稿日: カテゴリー: アライグマ編集長の日々雑感

日本でのマスク着用の現状がどのようなものか知らないが、フランスでは医療施設内においてすらマスクを着用しない人が多数派であることを先日訪れた救急病院で確認することができた。筆者をみてくれた医師も看護師もマスクはしておらず、見渡す限り、病棟内でマスクを着用しているのは筆者だけのような印象だった。たしかに新型コロナウイルス危機はすでに過去のもの、という物語が世界的に流通しているわけだが、現実には新種の変異株の感染が再拡大している。基礎疾患のある人などは今でも不安感が強いのではないか、と同情する。筆者は幸いにして、そういう問題はないが、身近にそういう人間が何人かいるので、細心の注意が必要。。。そう知りつつも、以前と比べて明らかに不注意になってしまっている自分に気づいて怖くなることもしばしばある。今読んでいるリチャード・マシスンのSF小説『アイ・アム・レジェンド』では、謎のウイルス感染ですべての人間がバンパイヤになってしまった中で、主人公のロバート・ネヴィルが世界でただ一人の人間として生き残り、日々バンパイヤと対決し続けるという仰天の物語が展開されるが(古典的作品なのでネタバレしており結末は分かっているがそれでも面白い)、筆者は先日、世界中の人間が新型コロナウイルスに感染して、筆者だけが非感染のまま、なぜか狭くて暗い地下道の中を、感染者の攻撃から逃げ回るという悪夢をみてしまった。フィリップ・K・ディックをはじめとしてSF世界ではパラノイア的な世界観が強すぎることは確かだが、単なるフィクションと笑えない面も多々ある。パラノイア的恐怖が現実にならないよう祈りたい。