ブレグジット

投稿日: カテゴリー: アライグマ編集長の日々雑感

1月31日に英国は欧州連合(EU)離脱の3周年を迎えた。これを控えて、30日にスナク首相はEUからの離脱は大きなチャンスであり、EUから自由になったことで、英国はすでに大きな進歩を遂げたと主張した。31日はまたスナク内閣の発足から100日目でもあり、首相はこの100日間にブレグジットがもたらした進歩の勢いは維持されたと自画自賛した。異例のストやデモが続き、経済も新型コロナウイルス危機前の水準への回復がG7中で唯一遅れている状況を見る限り、首相の発言は現実から遊離しているようにも感じられるし、実際に世論調査ではブレグジットを後悔する人が増えている。しかし、冷静に考えると、欧州統合の一番の成果は単一通貨の導入であり、英国は政治統合への参加拒否はもちろんのこと、ポンドを放棄して単一通貨ユーロを採用するつもりも最初から全くなかったのだから、EUに加盟したこと自体が間違いだった、と言えなくもない。スイスやノルウェーのように、自由貿易協定を結んだ上で、慎重に一定の距離を保ちつつ、いいとこ取りに徹するといううまい手もあったのに、下手に加盟してしまったせいで、離脱により不利益を 被っているというのが現在の状況だろう。首相の言い草ではないが、EUの中にいると、たしかにやたらと細かい規制の網が張り巡らされ、官僚主義の悪弊により、加盟国が自主的に動くことがますます難しくなっているという感触は強い。いずれにせよ、いまさら泣こうが喚こうが逆戻りはできないのだから、親愛なる英国には、離脱によって得た貴重な自由を無駄にせずに、ぜひぜひ有効活用してもらいたいものだ。