パリ首都圏、公共交通機関定期券「ナビゴ」の値上げ回避の見返りに国に予算補填を求める

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イルドフランス地域圏(パリ首都圏)のペクレス議長は10月10日、同氏が議長を務めるIDFM(パリ首都圏の公共交通機関の統括組織)の2023年予算案に関して、9億5000万ユーロが不足しているとして、国に予算の一部補填を求めた。国からの支援が得られない場合には、公共交通機関の定期券「ナビゴ」(月額75.2ユーロ)の値上げは回避できないと述べた。メトロと郊外列車は電力の大口消費者であり、電力料金の高騰を背景に予算見積が膨れ上がった。9億5000万ユーロの不足分のうちSNCF(仏国鉄)とRATP(パリ交通公団)がそれぞれ1億ユーロを負担し、自治体も同額の1億ユーロを拠出し、IDFMが2億ユーロの経費削減に取り組むことで、5億ユーロが確保される見込み。ペクレス議長は、残りの4億5000万ユーロを国が負担することを求めている。
ペクレス議長は、国が対応しないならば、大パリ圏環状地下鉄(グランパリ・エクスプレス)の仮運行に関わる1億ユーロの支払い、2024年パリ五輪の開催に伴う1億5000万ユーロの超過費の負担を取りやめると表明した。IDFMは12月に2023年予算案を採択する必要があり、予算補填を求めて国との綱引きが続く見込み。