仏労働生産性の比較劣位が鮮明に=政府調査機関CAEの分析

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

仏首相府下の調査機関CAE(経済分析評議会)は9月29日、フランスの労働生産性に関する調査結果を発表した。米独などと比べて労働生産性の比較劣位が明確になっているとし、教育に軸足を置いて人的資源の向上に取り組むよう勧告した。
この分析によると、2006年から2019年までの期間に、住民1人当たりの国内総生産(GDP)の伸び率には、フランスとドイツの間で7ポイント分の差が開いた。このうち5ポイント分程度は労働生産性における劣位に由来しているという。2019年時点でそれによる収入逸失は1400億ユーロに相当する。
CAEはその対策として、人的資源の向上に取り組むよう勧告。特に、数学の能力向上と協働的能力の向上を学校教育において徹底することを通じて、年間0.2ポイント分の経済成長率を実現できるとの見方を示した。このほか、女性や恵まれない地域の若者の登用を主眼に、有能な人材を科学・イノベーション分野に振り向けることで、やはり年間0.2ポイント分の成長を達成できるとした。これらにより15年後には750億ユーロのGDP底上げが実現するとの試算を示した。