若年層の雇用情勢が改善を続けている。政府の支援策による効果が大きい。
15-24才の失業率(ILO基準)は1-3月期に16.3%となり、前の期比で0.3ポイント、前年同期比では4ポイントを超える低下を記録した。1980年代初頭の水準にまで低下した。若年失業者数(当該月に就労実績がない者)は同じ1年間で25%強、数にして12万5000人の減少を記録した。若年層の就業率も34.6%まで上昇し、こちらは1990年代初頭以来で最高の水準に達した。
政府は特に見習い研修制度(いわゆるデュアルシステムの一種で、資格取得まで学業と就労を並行して行う)に力を入れており、新型コロナウイルス危機対策の一環として、危機以来で120億ユーロの予算を投入して支援した。2021年には73万件の見習い研修契約が結ばれ、前年比で37%を超える増加を記録。前年の2020年にも42%増を記録していた。この増加は、見習い研修者を採用する企業向けの奨励金制度の影響が大きい。政府はひとまず、奨励金制度の適用を年末まで延長し、2022年以降についても、何らかの形で支援措置を継続する方向で8月末より労使など関係各方面との協議を開始する予定。2021年に政府は同措置に係り40億ユーロ強を支出しており、規模はこれより小さくなる見通し。政府はまた、職業高校の制度改革を予告しており、その効果にも期待している。マクロン大統領は2027年の完全雇用達成を目標に掲げており、若年雇用の活性化は目標達成に向けた柱となる。