コンテントスクエア、6億ドルを調達

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仏コンテントスクエア(Contentsqare)はこのほど、6億ドルの資金調達を完了した。1年前の5億ドルに続いて、市況が厳しさを増す中でも大型の資金調達に成功した。米ファンドのSixth Streetが中心となり、米ライオンツリー(投資銀行)と既存株主(BPIフランス、ユーラゼオ、ハイランド・ヨーロッパ、KKRなど)が出資した。6億ドルのうち2億ドルは融資となっている。今回の調達における評価額は56億ドルに上り、前回より2倍に増えた。
コンテントスクエアは、顧客体験の分析ツールをSaaSの形で法人顧客に提供している。ポインタや指の動き、同一ページにとどまった時間といった従来とは異なるデータを活用しているところに新規性があり、大企業1000社を顧客としている。2021年に買収したHotjar(マルタ)を加えて、中小企業(従業員数50人未満)の顧客数は100万に達している。コンテントスクエアは、新たに得た資金を企業買収に充当する可能性を否定していない。
同社は、年間経常収益(ARR)が数億ドルに上ると説明しているが、正確な数字は明らかにしていない。収支の黒字化はまだ達成されていない。収入の5割程度を欧州で、45%程度を米国で、5%をアジアで達成している。日本では50社程度の顧客を獲得済みで、最近には中東にも進出した。世界に17ヵ所の事業所を展開し、従業員数は1500人に上る。年内に従業員数を2000人(うち500人が研究開発部門)に引き上げる予定。