ルメール経済相、食料品割引率上限引き上げを撤回

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ルメール経済相は4日、国営ラジオ局フランス・アンテールとのインタビューの中で、近く提出を予定する購買力法案の中に、廉売規制の緩和を盛り込む方針を明らかにした。しかし、農民団体の強い反発に配慮し、5日にはこの方針を撤回した。
マクロン政権は、食品小売業による価格競争を、農業生産者の収入圧迫を招く原因の一つと見定め、2019年の法改正を通じて、食品の廉売規制を導入。割引率の上限を34%に設定するなどの制限を設けていた。経済相はこれについて、足元のインフレ亢進を踏まえて、消費者の負担を軽減する目的で、割引率の上限を50%に引き上げると予告した。
農民団体はこの発表に強く反発。農業経営体の収入を犠牲にする形で消費者に利益を還元することになると主張し、さらに、割引率の引き上げは、所得水準を問わずにすべての消費者に益する措置となるがゆえに不公平であり、困窮者向けのバウチャー付与を優先すべきだとも主張している。経済相の側では、農民の反発に配慮し、小売店における価格の検査を徹底し、法令が定めているマージン最小限が達成されるよう指導を強めると説明。同時に、物流を含めた各段階の検査も徹底して、価格を吊り上げて不当に大きなマージンを得ている業者が出ないように目を光らせるとも約束していた。しかし、反発が極めて強かったことから、政府は割引率上限引き上げの方針を撤回した。