中古住宅取引の後退目立つ

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

中古住宅市場の後退が目立っている。取引価格が極めて高い水準に達する一方で、金利上昇で融資の確保が困難になり、市場は調整局面を迎えている。
センチュリー21が27日に発表した半期調査によると、2022年の取引件数は95万件程度にまで下がることが予想される。新型コロナウイルス危機時に中断されていた取引が遅れて実現し、一時的に大幅増を記録していた2021年と比べて、実に20%の減少に相当する。他方、平均取引価格は、一戸建てで10.4%増の29万654ユーロ、4年前からだと6万ユーロ増となった。アパートも7.4%増の24万960ユーロを記録。こちらは4年前から3万5000ユーロ近くの増加を記録した。価格上昇のため、用意するべき頭金の額も上昇し、そのため融資を得られない人も増えている。クレディロージュマンの集計によると、5月に新規与信数は3ヵ月前から14%後退。6月にはさらに20%後退にまで達している。
パリ市内に限ると、取引平均価格は1平方メートル当たり1万170ユーロとなり、1年間で2%の低下を記録した。小型の物件では低下幅が2.8%とさらに大きい。エネルギー効率が低い物件の賃貸禁止措置の段階的な導入により、投資家による購入意欲が薄れていることが関係していると考えられる。逆に、パリ首都圏では住宅価格が上昇を続けており、例えばセーヌエマルヌ県の一戸建ては14%の価格上昇を記録した。地方都市でも価格の上昇が続いているが、新型コロナウイルス危機の影響で、パリ首都圏と同様に、空間的な余裕が大きい周辺地区の物件の価格の上昇が目立つという傾向が見受けられる。