政府はインフレ対策の一環で、住宅家賃の改定幅について、2023年4-6月期まで3.5%を上限とする方針を固めた。同時に、住宅補助(APL)も7月1日付で3.5%引き上げる。7月に国会審議される補正予算法案に盛り込まれるという。
住宅家賃の改定は、IRLと呼ばれる公的機関が発表する指数に基づいてなされる。IRLはインフレ率に連動しており、四半期ごとになされる最新の改定(1-3月期)では2.48%と、2008年以来で最高の水準に達していた。このままだとさらに大きく上昇することから、政府は当面の間、3.5%という上限を設定することを決めた。IRLの算定方法については変更を加えず、上限の設定により抑制する。他方、APLの3.5%引き上げに伴い、国にとっては2022年に1億6800万ユーロの追加費用が発生する。
購買力増強措置は、改選後の下院が最初に検討する議案になるが、先の総選挙で与党連合は過半数を失っており、野党勢力の一部の協力を得ることが必要になる。レゼコー紙によると、政府は、各種の社会給付の支給額の4%引き上げを盛り込む予定で、法案の可決を7月中に得て、7月1日付で遡及的に適用する方針だという。その費用は、2022年分だけで70億ユーロ弱に上る見通し。