マクロン大統領、医療体制へのテコ入れを約束

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マクロン大統領は5月31日、シェルブール市内の公立病院を訪問した。公立病院では、救急外来を中心に人員不足などが目立ち、全国の2割に相当する120ヵ所の救急外来では、患者を選別して受け入れを制限するなどの措置を導入している。医療関係者からは、今夏には状況がさらに厳しくなるとして、早急な対策を決めるよう求める声が高まっている。マクロン大統領は、そうした制限措置を適用中のシェルブール市内の公立病院を訪問先に選び、問題への対応に全力を尽くす姿勢を示すことに努めた。大統領は具体的には、メッス・ティオンビル公立病院の救急外来責任者を務めるフランソワ・ブロン氏に対して、1ヵ月後に「計画外医療」の体制固めのための提言をまとめるよう依頼したことを明らかにして、提言の内容を踏まえて対策に取り組むと約束した。
6月12日と19日の総選挙を前に、医療は購買力に次いで国民の関心が高い案件となっている。ボルヌ内閣の発足の遅れもあり、マクロン大統領としては、政策運営が停滞しているという印象を与えないようにする狙いもあり、今回の訪問を行ったものと考えられる。ただ、提言のとりまとめ依頼により、決定を選挙後に先送りした格好ともなった。また、「計画外医療」という表現を選ぶことで、救急外来だけでなく、開業医部門も含めた対応を準備する形にして、支持基盤の一つである開業医に目くばせをした。