グランパリ・エクスプレス、5G整備がネイティブに

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建設中の大パリ圏環状地下鉄(グランパリ・エクスプレス)では、駅と車内のいずれでも5Gカバーが建設に組み入れられる形で実現する。2024年末の開業早々からサービスが提供される。一部の路線では整備事業者が入札により選定された。
パリ東郊外を結ぶ将来の16号線と17号線の携帯インフラ整備事業は、スペインのセルネックスが獲得した。パリ郊外を一周する15号線の南区間の同整備事業は、仏大手オレンジ子会社のトーテムが獲得した。西郊外を結ぶ18号線については入札が開始されたばかり。
パリでは、メトロの全域の4Gカバーが2020年になりようやく完了した。当初予定の2倍である8年間を要した。狭いトンネル内の場所の確保や廃熱処理など、地下の無線通信網整備には課題が多い。グランパリ・エクスプレスの場合はネイティブでの導入となり、その点では実現しやすいプロジェクトではあるが、例えば15号線のビルジュイフ駅は60メートルと深く、数層にわたる複雑な構成もあってネットワークの設計は容易ではない。また、車両は時速60kmと高速で、1000人を超える乗車を前提としていることから、サービスの質確保は困難な課題になる。トーテムは33km・16駅に上る同路線の整備に1000万ユーロを投資する計画で、トンネルには双方向アンテナを400メートルおきに設置、駅構内にも密にアンテナを設置して優れた通信環境の実現に努める。3Gから5Gまでの規格に対応したネットワークが整備される。