ドリシュブール、エリオールの筆頭株主に

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仏ドリシュブール(環境サービス)は19日、仏エリオール(給食サービス)への出資率を20%近くへ引き上げると発表した。筆頭株主から保有株式を一括して買収する。ドリシュブールはこの取引に1億4322万ユーロを支払う。買収は6月末までに完了する予定。市場はこの発表を嫌気し、エリオールの株価は終値で4.29%安、ドリシュブールの株価は13%を超える下落を記録した。
ドリシュブールは、エリオールの共同創業者であるゾラード氏と、ゾラード氏に近いジル・コジャン会長の持ち株会社であるBIMから、14.7%株式を買収する。2024年末日までの株価に連動する形での追加の支払いも予定されている。ドリシュブールは既に4.9%のエリオール株式を所有しており、合計で19.6%株式を確保し、エリオールの筆頭株主となる。
ドリシュブールは、金属廃棄物のリサイクルを主力事業とし、年商は36億ユーロ。うち「法人向けサービス」事業(清掃、エネルギー、人材派遣等)で年間8億7100万ユーロを稼いでおり、エリオールとは包括的なサービスの入札に共同で応じるなど、以前から協力関係にあった。エリオールは業種柄、新型コロナウイルス危機の打撃が特に大きく、2022年度上半期には2億6600万ユーロの純損失を記録した。立て直しに向けて、米国の調理食品事業を廃業するなどの再編を進めている。去る3月には、ギユモCEOが突然に辞任し、バローレック(シームレス鋼管)のCEOに就任しており、後任のCEO探しが進められていた。
ドリシュブールは、2人の代表者をエリオールの取締役として送り込む方針。当面は様子をうかがって次の手を考慮する意向だという。