食料品の小売価格、上昇が加速

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

食料品の小売価格が大きく上昇している。調査会社IRIによると、量販店における食品小売価格は4月に前年同月比で3%上昇した。3月(1.73%)と比べて値上がりの勢いが加速した。
製品別では、パスタ類が15.3%の値上がりを記録し、上昇幅が最も大きかった。冷凍ハンバーグが11.3%上昇、小麦粉も同程度の値上がりを記録した。食用油は11.3%の値上がりを記録。以下、コーヒーが8.2%、セモリナ粉が7.5%、バターが5.4%、鶏肉が4.7%、卵が3.9%の値上がりを記録した。
これらの値上がりは主に、食品生産者と流通業者の間の年次契約の改定に由来している。その効果は、3月に出始め、4月に本格化した。契約改定の交渉は、ウクライナ危機発生前にほぼ終わっており、危機発生以前のエネルギー価格等の高騰の影響を折り込んだものだったが、その後にウクライナ危機の影響が重なり、政府の指導もあって食品生産者と流通業者は再交渉を開始している。その結果は今夏にも小売価格に反映されるものと予想され、食品価格は今後も上昇が続くことになる。4月には既に、ウクライナ危機の直接の影響とみられる食用油の値上がり(さらには品薄)が発生しており、鳥インフルエンザのこれまでにない流行により、鶏肉と卵の値上がりも目立ってきている。