マクロン大統領、新内閣発足を「お預け」に

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マクロン大統領は28日に閣議を招集した。大統領選挙で当選を決めて以来で初めての閣議となった。
閣議後の記者会見で、アタル報道官は、今回の閣議がカステックス内閣にとっての最後の閣議にはならない、と言明し、新内閣が早期に任命されるとの観測をけん制した。ただし、報道官は同時に、翌週の閣議の招集が通常通りになされていないことを認めた。報道官は、閣議後にボルヌ労相が大統領府を出ていないことについて質問されたが、返事をしなかった。ボルヌ労相は大統領と協議するため居残ったものと考えられる。ボルヌ労相は次期首相の有力候補として名前が上がっている。
マクロン大統領は27日の時点で、次期首相に求められる資質として、社会、環境、生産に通じた人材であることを挙げた。大統領に近い筋は、大統領が女性を起用したい考えであることも明らかにしている。労使との関係の構築に努めてきたボルヌ労相は、女性という点でも、また、カステックス首相と同様に知事(フランスでは官僚が務める任命職)出身で地方行政に詳しい点でも適任ではあるが、議員を務めた経験がないのがマイナス材料であるという。大統領が、左右の政党から人材を引き抜くことを選ぶのではないかとの観測もあり、そうなると政界再編の動きともあわせて、一段と騒がしいことになる。