CNewsの偏向報道を糾弾のNGO、監督機関ARCOMを行政最高裁に提訴

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

NGOの国境なき記者団(RSF)は13日、放送行政監督機関のARCOMを相手取り、行政最高裁(コンセイユデタ)に提訴した。ニュース専門地デジ局CNews(ビベンディ傘下)に対する催告を行わないのは不当だと主張している。
RSFは、CNewsが偏向報道を行っており、法令及び放送免許上の規定に違反していると主張。ARCOMの前身であるCSAに対して、去る11月30日の時点でしかるべき対応をするよう請求したが、ARCOMがこれに従っていないとして、ARCOMを相手取った行政訴訟を開始することにした。ARCOMはRSFに対して、意見の多様性に関する定量的な目標が免許上で設定されていないことを理由に、RSFの請求を退けたが、RSFはこの説明に納得せずに行政最高裁に提訴。さらに、ARCOMが依拠した1986年の「通信の自由に関する法律」が不明確であり、技術が進歩した現在にはそもそも即していないと主張し、その違憲審査を行うよう請求した。
CNewsでは、大統領選挙に出馬した右翼の論客エリック・ゼムール氏がレギュラー番組を持ち、持論を展開する機会としていた。同氏が政治家に転身する踏切台ともなった。CNewsの親会社であるビベンディは実業家のバンサン・ボロレ氏の傘下にあり、ボロレ氏が傘下のテレビ局や新聞雑誌への介入を強めているとする批判の声もこのところ強まっている。