サルコジ元大統領(共和党)は12日、大統領選決選投票に向けてマクロン大統領の再選支持を呼びかけた。共和党内には賛否両論がある。
元大統領はSNS上で発表したメッセージの中で、次期大統領の選択は重大であるとし、自身はマクロン大統領に投票すると言明。かつてない国際的な危機に対処できるだけの経験ある人物であること、労働の価値を最重要とする経済政策を標榜していること、欧州を擁護する明確な姿勢を示していること、を大統領支持の理由として挙げた。元大統領はさらに、時代が新しい重大局面を迎える中で、右派共和派という価値に忠実であるならマクロン大統領を一致して大統領選において支持しなければならない、とも付け加えた。
共和党はこれより前、「国に混迷をもたらす」として極右RNのマリーヌ・ルペン候補への投票を拒否する一方で、マクロン大統領に対する批判的な姿勢を維持し、「共和党はマクロン主義にも、ルペン主義にも与さない」とする見解をまとめていた。両端から足元を掘り崩されている共和党として、党の空中分解を回避し、統一性を維持するための最小限の共通見解だったわけだが、そうした中で、サルコジ元大統領は会釈なしにマクロン支持を鮮明に打ち出したことになる。
サルコジ元大統領は、第1回投票において最後まで共和党のペクレス候補支持を表明しなかった。その元大統領が、決選投票ではおっとり刀でマクロン大統領支持を表明したことに、党内では不満と批判の声も大きい。