ルノー、事業分割を急ぐ

投稿日: カテゴリー: 欧州自動車・モビリティ情報

ルノーは電気自動車(EV)部門と内燃エンジン自動車部門に事業を分割する計画の実施を急いでいる。ロイター通信が4月7日、この件に近い筋の情報として報じた。それによると、ロシア事業の今後の行方が未知数であるにもかかわらず、デメオCEOは事業分割を迅速に進めることを望んでいるという。
ルノーは2月に2021年業績を発表した際に、フランス国内の完全電気自動車関連事業と、フランス国外の内燃エンジン自動車・ハイブリッド自動車関連事業をそれぞれ法的に別個の事業体としてまとめる可能性を検討していることを示唆したうえで、秋に投資家との会合で詳細を明らかにすると予告していた。
ロイターによると、複数の作業グループがコンサルタントの支援を得て、この2つの事業体の創設に関する検討を進めており、EV事業が「アンペール」、内燃エンジン自動車事業が「ホース」というコードネームで呼ばれているという。EV事業は将来的に上場を見込んでおり、これによりEV事業の可視性を強めるとともに、株式時価総額を引き上げることも狙っている模様。また、内燃エンジン自動車事業のほうは外部の1社ないし複数のパートナーと提携する可能性がある。
また、デメオCEOは、ロシア事業の財務面での影響を考慮し、社内でコスト削減に向けたいっそうの努力を求めたという。ただし、現在進行中のプロジェクトの停止などは予定していない。ルノーはロシア工場の操業を3月末に一時停止したほか、子会社アフトワズの株式を手放す可能性についても検討中。
ルノーはこの報道に関するアジェフィ・ダウジョーンズ通信からの問い合わせに対して、コメントを控えたが、事業分割の可能性については、全ての選択肢を検討していると述べた。